浜田省吾のアーティストとしての出発点は、バンド“AIDO”だった。デビューは1975年であり、浜田の担当楽器はドラムス。一方で、デビューシングル「二人の夏」を作詞・作曲をしたのは浜田であり、ドラマーでありソングライターでもあるといういささか変わったポジションから、浜田省吾のキャリアは始まったことを忘れるべきではない、と僕は思う。
その後、AIDOを脱退し、‘76年にソロ・デビューをシングル「路地裏の少年」とアルバム『生まれたところ遠く離れて』によって飾る。しかしセールス的には振るわず、『生まれたところ遠く離れて』以降は、いわゆる“シティ・ポップ”と呼ばれた軽妙な聴きやすい楽曲を作...